ジョブズの哲学 竹内一正 2012年2月15日発行
#今回も気になった部分に線を引いて、モバギで打ち出した。
#自分の感想などは含まれていません。
・反対を恐れるリーダーが選ぶのは、最大公約数的な着地点でしかない。だがその挙げ句にできた製品は、特徴がなく、消費者からソッポを向かれるだけである。
・真のリーダーとは、10人中9人が反対しても、自らの信念を掲げ、反対者をなぎ倒して進む人のことである。反対する人をいくら説得しても時間の無駄でしかない。反対者を納得させる最良の方法は、結果を出すことだ。
・ジョブズはすごかったなぁと懐かしさにひたっていても何も生まれない。ジョブズの考え方から学び、行動に結びつけることが、これからを生きる私たちの役目ではないだろうか。
・ジョブズはいついかなるときでも製品で勝負してきた。安易な企業買収で株価を上げたり、財テクで儲けようなどという小賢しいことはただの一度もいなかった。
・企業の業績を短期的に上げるのは実は簡単なこと。長期にわたる開発投資を止め、人材育成にかける資金を減らし、代わりにいますぐ売れる製品にエネルギーを集中すればいい。だが、この選択をした会社は、いずれは破綻する。
・ビジネスチャンスは手の届かない遠い場所よりも、身近なところに隠れている。問題はそれに気付くかどうかだ。ジョブズは「ビジネスになる」とひらめいたが、ウォズニアックは「みんなに売ろうなんて思いつきさえしなかった」と吐露している。同じものを見ても、同じことを考えつくわけではないのだ。だから人間は面白いし、そこにビジネスの芽が宿っている。
・ジョブズはクレームを避けるような無難な戦略に逃げたり、当たり障りのない製品をつくろうとはしなかった。
・革新的な製品は、市場クレームをはねのけるだけの覚悟を決めてから着手しなくてはいけない。
・大企業には弱みが3つある。
1)部門最適に陥り、全体最適が後回しにされる。
2)新技術の可能性を過小評価してしまう
3)意思決定が遅い
・自社の技術ですでに成功している場合は、従来の技術を否定するような新技術に対して、客観的に評価しようとする謙虚さを失っていることもある。
・iPodの成功は、機器端末の完成度だけでなく、iTunesストアの品揃えの豊富さとサービスの統合的な使いやすさとで獲得したものだ。ジャブズがリーダーとして全体が最適化するようにまとめたからもたらされたものだ。
・仕事を単なる「労働」だと考える人は給料が目的になり、「キャリア」と考える人は、自分の能力を高めようと努力し、よい成果を出そうと行動する。「天職」と思っている人は、自分の能力を発揮することに満足感を覚える。自分のやっている仕事は世の中のためになると捉えて、優れた成果をあげようと真剣に取り組む。(エイミー・ウェズニスキー)
・「お金のためではなく、世界を変えるために仕事をしていた」というアップルの社員の姿勢こそが他社との違いであった。
・「人が優れた仕事をできないのは、たいてい、彼らがそう期待されていないからだ。誰も本気で彼らの頑張りを期待していない。でも、そのお膳立てさえしてやれば、みんな自分で考えている限界を越える仕事ができるんだよ。歴史に残るような本当に素晴らしい仕事がね」(スティーブ・ジョブズ)
・お膳立てとは何か? ジョブスにとってそれは、「君たちを信じているんだ」ということを言葉で示すことだった。
・優れたマネジャーは、「業績をあげ、目標を達成できる」という期待感を部下に抱かせる能力を持つ。(J・スターリング・リビングストン)
・上司は、部下に本気で期待できるかどうか。部下も「自分はできる」と本気で信じられるかどうかで、結果は大きく違ってくる。
・「失敗にも価値がある」と考えることができたら、新たなことへ挑戦する気持ちが芽生えやすくなる。たとえ失敗してもその失敗に着目しなかったら、価値あるものにならない。失敗は何かを学べるチャンスだと考えたほうがいい。
・アップルの技術者は、デジタルで複雑なコンピュータと、アナログで物忘れが激しい人間との間を取り持つ「インターフェース」の技術にすべてを賭けてきたといっていい。人を機械に近づけるのではなく、機械を人に近づけることで、世界中の人々から愛される製品となったのである。
・技術は毎年高度化するが、なりゆきにまかせていると、次第に製品が人から遠ざかっていく危険性をはらんでいる。
・ジョブズは、「最高のプロダクト・ピッカー」と言われた。開発段階の製品の細部や使い方について細かく注文をつけ、技術者に逐一変更を命令した。「プロダクト・ピッカーとしてジョブズが一番こだわったのは、やはり「使いやすさ」であった。普通の人が予備知識なく触っても、問題なく操作できるかどうかが重要なポイント。機械がどれだけ人に近づいているかがここで判断される。
・技術者にまかせていると、つい機械を優先して、人のほうに近づいてもらうような発想になってしまう。だがそれでは製品はできても、ユーザーが使ってみたいと心踊らせる魅力的な商品にはならない。
・ジョブズは自分にない才能の持ち主を見つけ出し、味方に引き入れることで、不可能の壁を打ち破り、成功の階段を上ることができたのだ。
・コンピュータについては天才的だがビジネスには疎いウォズニアックと、コンピュータのプログラムはわからないが人々が何を求めているかには天才的なひらめきをもつジョブズがタッグを組むことになり、アップルの快進撃は準備されることになった。
・どんなに優れていても個人プレーでできることなど限られている。まわりの逸材を見出し、引き寄せてチームで戦ってこそ高い成果を目指すことができる。ジョブズは「仕事はチームスポーツだ」と語っている。
・「自分が行く先は、パックが向かってくるところであり、パックがあったところではない」(ウェイン・グレツキー)ジョブズの座右の銘
・アルバムで儲けていた音楽業界は曲のバラ売りに大反対だったが、利用者には歓迎された。特に小遣いの貧しい若者たち。何よりもショップに行かなくても家にいて簡単に最新の音楽を手に入れて楽しむことが可能になった。そのどれもが、ユーザーが望んでいたことの一歩先を行くものだった。
・ジョブズは、イノベーションは人と人とのアナログ的な出会いや、なにげない話し合いから生まれると確信していた。
・ピクサーのユニークな建物のデザインで、「最も重要な機能は、建物の中心に作るべき」という哲学に根ざしている。「ピクサーにとって、もっとも重要な機能は、従業員同士の交流なのだ」(エド・キャットムル)
・ジョブズは、イノベーションを生み出す環境をつくりあげた。本物の経営者は、なによりも社員が最高のパフォーマンスを発揮できる最良の環境をつくることを重視する。
・個性豊かなジョブズが作ったアップルには、個性豊かで自己主張の強い連中が集まった。上司の言うことをおとなしく聞いていれば、いずれ出世の道が開けると考えるヒツジのような社員は皆無だった。
・世界を驚かせる新製品をつくりだそうと思えば、開発現場の社員たちは「誰が正しいか」ではなく、「何が正しいか」を議論することになる。
・ジョブズが細部にこだわればこだわるほど、衝突は起こる。その衝突からよりよいアイデアが生まれ、すごい製品に昇華する。
・部下の意見を圧殺する社長の下では、革新的な製品は萌芽しようがない。ワンマン経営者と言われたジョブズであっても、部下のアイデアをたくさん取り入れたからこそ成功を手繰り寄せることができた。
・マックが大ヒットしたのは、パソコンの作業は表計算といった事務作業だけという枠を脱して、DTPの世界に視野を広げたからだった。もともと高価なプリンターにしか対応していなかったポストスクリプト言語を、一般ユーザーにも買える安価なプリンターに対応させたのはジョブズの先見性によるものだ。
・自分の部署にこだわらず、自分の会社の枠から飛び出し、自分の業界から別の業界へと目を向けてこそ、新たなチャンスが見えてくるのだ。
・マックのハードを開発したバレル・スミス「自分のつくったものを9割捨てる覚悟をして、はじめて本当に納得がいく1割りが得られる」
・「費やした努力」と「ユーザーが欲しいもの」とが連動するとは考えてはいけない。
・したたかさは、図々しさと冷静さを持ち合わせていないと効力を発揮しない。交渉のテーブルには、本当に必要なことを上回る条件まで平気で乗せる大胆さが必要だ。したたかさとは、そういうものである。
・白熱電球の発明は素晴らしいものだが、素晴らしいからといってなりゆき任せにしていたら、世間の関心は消え去ってしまう。エジソンは発明王だったが、その発明をいかに世間に伝えるのかの大切さを認識していた。
・難しいことを難しい言葉で説明していては、誰もわかってくれない。難しいことであればこそ、わかりやすい言葉と身近なたとえで説明すれば、多くの人がなるほどと思う。これはコミュニケーションの原則でもある。
・タイミングを見計らうことは極めて重要だ。歌謡曲はどれだけ上手な歌手が歌っても、どんなヒットメーカーがつくっても、時代にマッチしなければヒットしない。
・結果的にiPodが大容量、小型の携帯音楽プレーヤーになり得たのは、東芝製の最新のハードディスクドライブとの出会いを待てたからだった。成功するにはタイミングが実に重要である。遅すぎれば取り返しがつかないし、早過ぎても成功することはできないのだ。
・「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」重要なのは、既存のものをただ組み合わせればいいわけではないということ。持ちやすいサイズ、バッテリーの寿命、使いやすい設計。
・他人の金で事業をしているかぎり、貸主の意向を無視するわけにはいかない。そうなるとつい自分たちが本当にやりたいことが萎縮してしまうものだ。
・IPOというジョブズにとって専門外ともいえることでも、自分を信じ、専門家の言うことに惑わされない姿勢が成功を導いた。
・ときに失敗は成功の始まりとなるが、反対に多くの場合、成功は失敗の序章となる。
・「デザインは “どう見えるか” だと勘違いしている人が多くいる。しかし深く下げると、どう見えるかではなく、 “どう機能するか” であることに気付くだろう」
・コモディティ市場で差別化するには価格に触るしかない。そこで戦うとなると、安売り路線を転げ落ちるだけだ。
・「アップルはコンピュータ業界においてライフスタイルを提供している唯一のブランドだ」(ラリー・エリソン)
・業績が素晴らしければ、社名も素晴らしいものとして捉えられる。ハイテク企業でありながら親しみやすさを製品に込めたユニークな会社だからこそ、アップルという名前は人々の心をつかんだ。
・死を目の前にすれば、まわりからの期待やプライド、挫折や失敗への恐れなど消し飛んでしまう。そして、本当に大切なことだけが残る。死を思えば、何かを失うのではと考える罠にはまらずに済みます。自分の心に従わない理由などありません。
・大切なものを失った状態、つまり「死」を想像してみることは、自分自身の心の声に耳を傾けて本当に大切なことに気付かせてくれるだけでなく、何かをなんとしてでも成し遂げようとする意欲の高揚にも気付かせてくれるかもしれない。もしそうなったとすれば、あとは行動に移すのみだ。なぜなら、「人生の時間は限られている」のだから。
・シンプルかつエレガントであることが、本物の解決策である何よりの証拠である。
・製品ラインの単純化なくして再生に成功した企業はない。組織構造の単純化にもジョブズは取り組んだ。上から下まで明確でスピーディーな指揮命令系統を作りあげた。新しい組織は余分なものがなく、わかりやすく責任が明確となった。「集中と簡潔がモットー」
・大事なことは、ユーザ目線で最優先のものを見極めて、そこに最大のエネルギーを投入することである。
・「情熱がたっぷりなければ、生き残ることはできない」溢れる情熱があるから、困難に直面したときに我慢できる。情熱を燃料にして我慢という機関車はたくましく前進する。
・「あなたが真に満足を得るただ一つの方法は、自分で素晴らしいと信じられる仕事をすること。そして素晴らしいと思える仕事をするたったひとつの方法は、仕事を愛することです」そのためのベストの方法は、好きなことを仕事にすることだ。
・好きなことを仕事にできる人ばかりではない。むしろ、そうならない人のほうが世間の大多数。ならば、いまやっている仕事を好きになることである。いまは楽しくなくても、やっているうちに面白さや楽しさを発見する人は少なくない。
・人の脳は、嫌なことをやっているとすぐに疲れるが、好きなことをやっているとなかなか疲れないということが研究で明らかになっている。嫌なことをやっていると、視野は狭くなり、できることよりできないことに発想が行きがちとなる。だが、好きなことをやっていると、発想が豊かになり、さまざまなアイデアが浮かんできやすくなる。
・独創性を追求するものは、常に他者より先を走らなければならない。しかし、先頭を走ることは、もっとも強い風圧を受けることを意味する。他者が通った道を後から行くのはリスクが少なく、開発投資も抑えられ、スケジュールも予見できるが、先頭を走ると行うことはこの逆だ。リスクが高く、開発投資がどれぐらいかかるかわからず、いつ完成するのか予測することすら難しい。
・「イノベーションがリーダーとフォロワーを分ける」
・権力は自分の夢を実現する道具である。だから、夢をもたない人物が権力を手にするとろくなことにならない。権力に自分が振り回されることになる。
・ワントップのジョブズが、自らの美意識とユーザー体験重視の姿勢に、自身の未来ビジョンを掛け合わせて生まれるのが、世界を驚かせ、業界の常識を破壊するアップルの製品だった。業界の常識を守り、組織のルールを重んじて正当なやり方で作っているようでは、人を驚かせる製品などできるはずがない。
・成功体験は、たとえ小さくてもいいから、早いうちに得ておくことが重要だ。どんなに意志の強い人でも、最初から失敗続きでは気力が萎えてしまうからだ。ジョブズですらわずか数百枚を売ったアップル㈵の小さな成功体験がその後の偉大な成果への始まりだった。
・「ハードウェア部門とソフトウェア部門を両方持っていることがアップル最大の弱点だとよく指摘された。しかしそれは間違っている。アップルの最大の弱点は戦略がなかったことであり、それはすでに解決した。逆に、ハードとソフトの両方を持っていることがいまやアップルの最大の強みだ。ハード部門とソフト部門の両方を持つのは、パソコン業界の中で我々だけなんだ」
・扱いの難しい上司はどこにでもいる。だからといって上司を変えてくれとは言えない。ならば、上司の行動パターンを分析して対応策を見つけ出せば、仕事の取り組み方も変わって来るだろう。
・「高収入によって物理的な生活評価は向上させられるが、心の幸福度は向上しない」「心の面での幸福度」は年収7万5000ドル近辺で、その上昇は止まってしまう。(ダニエル・カーネマン プリンストン大学教授)
・「企業の目的は金儲けではない。顧客の創造である」(ドラッカー)
・ジョブズはマッキントッシュでこれまでパソコンなどに触れたこともなかった人々がマウスを手に画面にむかうようになった。iPodは、グッチやフェンディなどファッション業界やナイキなどスポーツブランドまでが関連製品を販売するようになった。ピクサーはフルCGアニメというジャンルを作り、映画館に新しい顧客を呼び寄せた。ジョブズはまさに顧客を創造し、世界を広げた。
・「お金のために、やってきたわけじゃないんだよ」
#今回も気になった部分に線を引いて、モバギで打ち出した。
#自分の感想などは含まれていません。
・反対を恐れるリーダーが選ぶのは、最大公約数的な着地点でしかない。だがその挙げ句にできた製品は、特徴がなく、消費者からソッポを向かれるだけである。
・真のリーダーとは、10人中9人が反対しても、自らの信念を掲げ、反対者をなぎ倒して進む人のことである。反対する人をいくら説得しても時間の無駄でしかない。反対者を納得させる最良の方法は、結果を出すことだ。
・ジョブズはすごかったなぁと懐かしさにひたっていても何も生まれない。ジョブズの考え方から学び、行動に結びつけることが、これからを生きる私たちの役目ではないだろうか。
・ジョブズはいついかなるときでも製品で勝負してきた。安易な企業買収で株価を上げたり、財テクで儲けようなどという小賢しいことはただの一度もいなかった。
・企業の業績を短期的に上げるのは実は簡単なこと。長期にわたる開発投資を止め、人材育成にかける資金を減らし、代わりにいますぐ売れる製品にエネルギーを集中すればいい。だが、この選択をした会社は、いずれは破綻する。
・ビジネスチャンスは手の届かない遠い場所よりも、身近なところに隠れている。問題はそれに気付くかどうかだ。ジョブズは「ビジネスになる」とひらめいたが、ウォズニアックは「みんなに売ろうなんて思いつきさえしなかった」と吐露している。同じものを見ても、同じことを考えつくわけではないのだ。だから人間は面白いし、そこにビジネスの芽が宿っている。
・ジョブズはクレームを避けるような無難な戦略に逃げたり、当たり障りのない製品をつくろうとはしなかった。
・革新的な製品は、市場クレームをはねのけるだけの覚悟を決めてから着手しなくてはいけない。
・大企業には弱みが3つある。
1)部門最適に陥り、全体最適が後回しにされる。
2)新技術の可能性を過小評価してしまう
3)意思決定が遅い
・自社の技術ですでに成功している場合は、従来の技術を否定するような新技術に対して、客観的に評価しようとする謙虚さを失っていることもある。
・iPodの成功は、機器端末の完成度だけでなく、iTunesストアの品揃えの豊富さとサービスの統合的な使いやすさとで獲得したものだ。ジャブズがリーダーとして全体が最適化するようにまとめたからもたらされたものだ。
・仕事を単なる「労働」だと考える人は給料が目的になり、「キャリア」と考える人は、自分の能力を高めようと努力し、よい成果を出そうと行動する。「天職」と思っている人は、自分の能力を発揮することに満足感を覚える。自分のやっている仕事は世の中のためになると捉えて、優れた成果をあげようと真剣に取り組む。(エイミー・ウェズニスキー)
・「お金のためではなく、世界を変えるために仕事をしていた」というアップルの社員の姿勢こそが他社との違いであった。
・「人が優れた仕事をできないのは、たいてい、彼らがそう期待されていないからだ。誰も本気で彼らの頑張りを期待していない。でも、そのお膳立てさえしてやれば、みんな自分で考えている限界を越える仕事ができるんだよ。歴史に残るような本当に素晴らしい仕事がね」(スティーブ・ジョブズ)
・お膳立てとは何か? ジョブスにとってそれは、「君たちを信じているんだ」ということを言葉で示すことだった。
・優れたマネジャーは、「業績をあげ、目標を達成できる」という期待感を部下に抱かせる能力を持つ。(J・スターリング・リビングストン)
・上司は、部下に本気で期待できるかどうか。部下も「自分はできる」と本気で信じられるかどうかで、結果は大きく違ってくる。
・「失敗にも価値がある」と考えることができたら、新たなことへ挑戦する気持ちが芽生えやすくなる。たとえ失敗してもその失敗に着目しなかったら、価値あるものにならない。失敗は何かを学べるチャンスだと考えたほうがいい。
・アップルの技術者は、デジタルで複雑なコンピュータと、アナログで物忘れが激しい人間との間を取り持つ「インターフェース」の技術にすべてを賭けてきたといっていい。人を機械に近づけるのではなく、機械を人に近づけることで、世界中の人々から愛される製品となったのである。
・技術は毎年高度化するが、なりゆきにまかせていると、次第に製品が人から遠ざかっていく危険性をはらんでいる。
・ジョブズは、「最高のプロダクト・ピッカー」と言われた。開発段階の製品の細部や使い方について細かく注文をつけ、技術者に逐一変更を命令した。「プロダクト・ピッカーとしてジョブズが一番こだわったのは、やはり「使いやすさ」であった。普通の人が予備知識なく触っても、問題なく操作できるかどうかが重要なポイント。機械がどれだけ人に近づいているかがここで判断される。
・技術者にまかせていると、つい機械を優先して、人のほうに近づいてもらうような発想になってしまう。だがそれでは製品はできても、ユーザーが使ってみたいと心踊らせる魅力的な商品にはならない。
・ジョブズは自分にない才能の持ち主を見つけ出し、味方に引き入れることで、不可能の壁を打ち破り、成功の階段を上ることができたのだ。
・コンピュータについては天才的だがビジネスには疎いウォズニアックと、コンピュータのプログラムはわからないが人々が何を求めているかには天才的なひらめきをもつジョブズがタッグを組むことになり、アップルの快進撃は準備されることになった。
・どんなに優れていても個人プレーでできることなど限られている。まわりの逸材を見出し、引き寄せてチームで戦ってこそ高い成果を目指すことができる。ジョブズは「仕事はチームスポーツだ」と語っている。
・「自分が行く先は、パックが向かってくるところであり、パックがあったところではない」(ウェイン・グレツキー)ジョブズの座右の銘
・アルバムで儲けていた音楽業界は曲のバラ売りに大反対だったが、利用者には歓迎された。特に小遣いの貧しい若者たち。何よりもショップに行かなくても家にいて簡単に最新の音楽を手に入れて楽しむことが可能になった。そのどれもが、ユーザーが望んでいたことの一歩先を行くものだった。
・ジョブズは、イノベーションは人と人とのアナログ的な出会いや、なにげない話し合いから生まれると確信していた。
・ピクサーのユニークな建物のデザインで、「最も重要な機能は、建物の中心に作るべき」という哲学に根ざしている。「ピクサーにとって、もっとも重要な機能は、従業員同士の交流なのだ」(エド・キャットムル)
・ジョブズは、イノベーションを生み出す環境をつくりあげた。本物の経営者は、なによりも社員が最高のパフォーマンスを発揮できる最良の環境をつくることを重視する。
・個性豊かなジョブズが作ったアップルには、個性豊かで自己主張の強い連中が集まった。上司の言うことをおとなしく聞いていれば、いずれ出世の道が開けると考えるヒツジのような社員は皆無だった。
・世界を驚かせる新製品をつくりだそうと思えば、開発現場の社員たちは「誰が正しいか」ではなく、「何が正しいか」を議論することになる。
・ジョブズが細部にこだわればこだわるほど、衝突は起こる。その衝突からよりよいアイデアが生まれ、すごい製品に昇華する。
・部下の意見を圧殺する社長の下では、革新的な製品は萌芽しようがない。ワンマン経営者と言われたジョブズであっても、部下のアイデアをたくさん取り入れたからこそ成功を手繰り寄せることができた。
・マックが大ヒットしたのは、パソコンの作業は表計算といった事務作業だけという枠を脱して、DTPの世界に視野を広げたからだった。もともと高価なプリンターにしか対応していなかったポストスクリプト言語を、一般ユーザーにも買える安価なプリンターに対応させたのはジョブズの先見性によるものだ。
・自分の部署にこだわらず、自分の会社の枠から飛び出し、自分の業界から別の業界へと目を向けてこそ、新たなチャンスが見えてくるのだ。
・マックのハードを開発したバレル・スミス「自分のつくったものを9割捨てる覚悟をして、はじめて本当に納得がいく1割りが得られる」
・「費やした努力」と「ユーザーが欲しいもの」とが連動するとは考えてはいけない。
・したたかさは、図々しさと冷静さを持ち合わせていないと効力を発揮しない。交渉のテーブルには、本当に必要なことを上回る条件まで平気で乗せる大胆さが必要だ。したたかさとは、そういうものである。
・白熱電球の発明は素晴らしいものだが、素晴らしいからといってなりゆき任せにしていたら、世間の関心は消え去ってしまう。エジソンは発明王だったが、その発明をいかに世間に伝えるのかの大切さを認識していた。
・難しいことを難しい言葉で説明していては、誰もわかってくれない。難しいことであればこそ、わかりやすい言葉と身近なたとえで説明すれば、多くの人がなるほどと思う。これはコミュニケーションの原則でもある。
・タイミングを見計らうことは極めて重要だ。歌謡曲はどれだけ上手な歌手が歌っても、どんなヒットメーカーがつくっても、時代にマッチしなければヒットしない。
・結果的にiPodが大容量、小型の携帯音楽プレーヤーになり得たのは、東芝製の最新のハードディスクドライブとの出会いを待てたからだった。成功するにはタイミングが実に重要である。遅すぎれば取り返しがつかないし、早過ぎても成功することはできないのだ。
・「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」重要なのは、既存のものをただ組み合わせればいいわけではないということ。持ちやすいサイズ、バッテリーの寿命、使いやすい設計。
・他人の金で事業をしているかぎり、貸主の意向を無視するわけにはいかない。そうなるとつい自分たちが本当にやりたいことが萎縮してしまうものだ。
・IPOというジョブズにとって専門外ともいえることでも、自分を信じ、専門家の言うことに惑わされない姿勢が成功を導いた。
・ときに失敗は成功の始まりとなるが、反対に多くの場合、成功は失敗の序章となる。
・「デザインは “どう見えるか” だと勘違いしている人が多くいる。しかし深く下げると、どう見えるかではなく、 “どう機能するか” であることに気付くだろう」
・コモディティ市場で差別化するには価格に触るしかない。そこで戦うとなると、安売り路線を転げ落ちるだけだ。
・「アップルはコンピュータ業界においてライフスタイルを提供している唯一のブランドだ」(ラリー・エリソン)
・業績が素晴らしければ、社名も素晴らしいものとして捉えられる。ハイテク企業でありながら親しみやすさを製品に込めたユニークな会社だからこそ、アップルという名前は人々の心をつかんだ。
・死を目の前にすれば、まわりからの期待やプライド、挫折や失敗への恐れなど消し飛んでしまう。そして、本当に大切なことだけが残る。死を思えば、何かを失うのではと考える罠にはまらずに済みます。自分の心に従わない理由などありません。
・大切なものを失った状態、つまり「死」を想像してみることは、自分自身の心の声に耳を傾けて本当に大切なことに気付かせてくれるだけでなく、何かをなんとしてでも成し遂げようとする意欲の高揚にも気付かせてくれるかもしれない。もしそうなったとすれば、あとは行動に移すのみだ。なぜなら、「人生の時間は限られている」のだから。
・シンプルかつエレガントであることが、本物の解決策である何よりの証拠である。
・製品ラインの単純化なくして再生に成功した企業はない。組織構造の単純化にもジョブズは取り組んだ。上から下まで明確でスピーディーな指揮命令系統を作りあげた。新しい組織は余分なものがなく、わかりやすく責任が明確となった。「集中と簡潔がモットー」
・大事なことは、ユーザ目線で最優先のものを見極めて、そこに最大のエネルギーを投入することである。
・「情熱がたっぷりなければ、生き残ることはできない」溢れる情熱があるから、困難に直面したときに我慢できる。情熱を燃料にして我慢という機関車はたくましく前進する。
・「あなたが真に満足を得るただ一つの方法は、自分で素晴らしいと信じられる仕事をすること。そして素晴らしいと思える仕事をするたったひとつの方法は、仕事を愛することです」そのためのベストの方法は、好きなことを仕事にすることだ。
・好きなことを仕事にできる人ばかりではない。むしろ、そうならない人のほうが世間の大多数。ならば、いまやっている仕事を好きになることである。いまは楽しくなくても、やっているうちに面白さや楽しさを発見する人は少なくない。
・人の脳は、嫌なことをやっているとすぐに疲れるが、好きなことをやっているとなかなか疲れないということが研究で明らかになっている。嫌なことをやっていると、視野は狭くなり、できることよりできないことに発想が行きがちとなる。だが、好きなことをやっていると、発想が豊かになり、さまざまなアイデアが浮かんできやすくなる。
・独創性を追求するものは、常に他者より先を走らなければならない。しかし、先頭を走ることは、もっとも強い風圧を受けることを意味する。他者が通った道を後から行くのはリスクが少なく、開発投資も抑えられ、スケジュールも予見できるが、先頭を走ると行うことはこの逆だ。リスクが高く、開発投資がどれぐらいかかるかわからず、いつ完成するのか予測することすら難しい。
・「イノベーションがリーダーとフォロワーを分ける」
・権力は自分の夢を実現する道具である。だから、夢をもたない人物が権力を手にするとろくなことにならない。権力に自分が振り回されることになる。
・ワントップのジョブズが、自らの美意識とユーザー体験重視の姿勢に、自身の未来ビジョンを掛け合わせて生まれるのが、世界を驚かせ、業界の常識を破壊するアップルの製品だった。業界の常識を守り、組織のルールを重んじて正当なやり方で作っているようでは、人を驚かせる製品などできるはずがない。
・成功体験は、たとえ小さくてもいいから、早いうちに得ておくことが重要だ。どんなに意志の強い人でも、最初から失敗続きでは気力が萎えてしまうからだ。ジョブズですらわずか数百枚を売ったアップル㈵の小さな成功体験がその後の偉大な成果への始まりだった。
・「ハードウェア部門とソフトウェア部門を両方持っていることがアップル最大の弱点だとよく指摘された。しかしそれは間違っている。アップルの最大の弱点は戦略がなかったことであり、それはすでに解決した。逆に、ハードとソフトの両方を持っていることがいまやアップルの最大の強みだ。ハード部門とソフト部門の両方を持つのは、パソコン業界の中で我々だけなんだ」
・扱いの難しい上司はどこにでもいる。だからといって上司を変えてくれとは言えない。ならば、上司の行動パターンを分析して対応策を見つけ出せば、仕事の取り組み方も変わって来るだろう。
・「高収入によって物理的な生活評価は向上させられるが、心の幸福度は向上しない」「心の面での幸福度」は年収7万5000ドル近辺で、その上昇は止まってしまう。(ダニエル・カーネマン プリンストン大学教授)
・「企業の目的は金儲けではない。顧客の創造である」(ドラッカー)
・ジョブズはマッキントッシュでこれまでパソコンなどに触れたこともなかった人々がマウスを手に画面にむかうようになった。iPodは、グッチやフェンディなどファッション業界やナイキなどスポーツブランドまでが関連製品を販売するようになった。ピクサーはフルCGアニメというジャンルを作り、映画館に新しい顧客を呼び寄せた。ジョブズはまさに顧客を創造し、世界を広げた。
・「お金のために、やってきたわけじゃないんだよ」
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